“街づくり”を語る市民の広場…。第3回新春チャリティー・パーティー
実行委員長 佐渡谷 安津央
市民と共に街づくりを考えようと呼びかけを強めて、新しい企画を生み出した昨年の”歴風”の活動、それはすべての運営委員が息つく間もないとりくみのくりかえしであったと思います。そんな中で第3回チャリティー・パーティーの実行委員長に推され、大いにとまどいを感じたものでした。例年になく暗い話題で幕明けした新春…。市民はどんな思いをもち何をもとめてこのパーティーに参加されるのだろうか?そんな不安も脳裏をかすめもしました。しかし、パーティーのプログラムが進むにつれその不安が消え成功への喜びにかえがたいうれしさとして胸にきざみこまれて行く様でした。このパーティーの成功は”街づくりの願いで結ばれた市民の広場”として一人一人の市民の心に根をはりだしているのではないかと思います。そして名もなく、あるいは名実を求めない、だが確実に自らのもてる力で街づくりに参加しようとする市民…。その市民の一人一人のもち味が生かされながら郷土の未来を語り豊かな街づくりを進めることのできる広場、これこそ永い間市民が求めつづけて来たものではないでしょうか。第3回チャリティー・パーティーは私にとってすばらしい”街づくり”の夢を広げ、市民の一人としての豊かな生き方を明らかに示してくれた一夜だったと思います。皆様の絶大なお力ぞえに心から感謝申し上げます。
東京より愛をこめて
全国町並み保存連盟顧問・朝日新聞本社記者 石川 忠臣
ミナサン、オバンデス!、まず友好のごあいさつをおくります。さて、今夕はたいへん楽しそうなパーティで私も、文字通り飛んで行って、皆様とごいっしょに何杯も、何杯も乾杯したいのですが、残念ながら遠すぎて出席できません。そこで一言……。
私はいま、ある雑誌の編集の仕事で、全国各地の歴史的町並みからの報告を読んでいます。どれもまじめな原稿ですが、保存運動の実情はたいへんきびしく、読んでいて胸が苦しくなるものが多いのです。そんなとき、函館の歴史的風土を守る会の近況を知らせていただき、ホッとする思いがしました。
好きな建物コンクール、歴風賞、保存文化賞……と、ユーモアのある企画とその実践を通じての啓蒙―これはすばらしい町並み運動であると思います。全国的にみても、函館という地域の特性を生かし、”明るさ”と”楽しさ”を強調した運動ぶりは、きわめて貴重なものと高く評価できると思います。函館のあすの町づくりのため活躍されている函館の歴史的風土を守る会の皆様方に全国町並み保存連盟を代表して、深い敬意と厚い友情の拍手をおくります。ともに、私たちの連盟では、もっと函館の経験を全国の町並みの仲間たちに伝え、運動の参考にしたいと思います。そのためにも、六月、琴平町で開かれる第4回全国町並みゼミには、遠路ですが、お一人でも多くの函館の仲間が参加されることを期待します。では最後に、パーティの成功と函館の歴史的風土を守る会の前進を祈って、東京の空からカンパーイ! 1981年1月27日
保存文化賞(YWCA会館) ”緑町界隈のこと”
星野 花枝
「えっ、この建物が?」と、なかば信じられないのは毎日見馴れているせいからか。隠れたるファンの投票のおかげで我らのYWCA会館は、この度歴風会から保存文化賞をいただいた。60年近くになる木造本体の部分は今だにがっしりし、むしろ戦後の増改築部分が傷みが早い。昔の民家は丈夫に作られていると感心する。場所は杉並町と松陰町の境界線、緑町通り。今は三角通りともいうが私は頑固に緑町通りと繰り返す。そして松陰町ではなくて松蔭町とも。杉並町、柏木町、松蔭町と、文字通り緑溢れる地域であったが、今はその名に佛を残すのみになった。しかしこの緑町付近は樹齢〇〇年の保存樹木を擁する家が多く、歩きながら眺めるのも楽しい。
すぐ隣は広大な敷地を持つ遺愛高校。乳白色の二階建ての木造本館、そしてホワイトハウスと呼ばれている奥の教師館に若き日の想い出をこめていとおしんでいる卒業生がどれ程多いことか。深いみどりと花々を通して目に入る白亜の教師館は、時代の流れを越えてそこに一つの世界を現す。人間はやはり心のふるさとを求めてやまない存在だと思う。
勝手な願いだが、この緑町通りを愛する者として醜悪な「近代建築」がはびこらなければよいと思う。建てるにしても工夫が欲しい。建物は単に入れ物ではなくて、我々の文化のありようを示すと思うから。
“チャリティー・パーティーを司会して…”
NHKアナウンサー 黒沢 典之
生れてはじめて、ウイスキーグラス片手に司会をさせてもらったパーティーは、できあがったばかりの”番付表”を発表したり、オークションがあったり、”ジョイフルデキシーランドセブン”のナマ演奏にあわせて、会場のまん中で、堂々とダンスをしたり……。それは、もうずい分遠くなってしまった子供の頃の夢中で遊んだ時間の穴の中に、またスッポリとはいりこんだような、妙に心楽しいものでした。
先人の残した歴史的な建物、先人から受け継いだ進取の気活、それらのすべてを包みこんだ函館の歴史的風土一今、函館の歴史の中に生きる私達は、この風土を守り伝えることを誇りに思っています。
チャリテー・パーティーは、函館市民が一緒になってこの心意気を確認し合いました。
この一夜を演出した「函館の歴史的風土を守る会」の新鮮な創造力のあふれたステキな人達に、乾杯!!
- 「ふるさと写生会に参加して」 函館市立赤川中学校2年生 中村 智信・門脇 真人
- 「野外スケッチ展に想う」 富田 典子
- 函館名建築番付の意義と課題…そして提案 建築雑考の会Σ 明日和 成呂宇
- 「原・函館人」のつぶやき マリン・ハウス 清水 憲朔
- “Folic acid(葉酸)の語源……”~ホーレン草の語源~(フォーリー司祭の由来…?) 鹿児島大学水産学部長 柿本 大壱
- 観光資源 岡本 杏一
- 極楽寺で古い碑を再建 会田 金吾
- ~旧渡島支庁庁舎と旧函館郵便局~その顛末記…
- 函館の魅力ある建物 運営委員 高瀬 則彦
- 函館における明治期の学校教育の浮沈 大森 好男
- 北洋漁業の遷り変り 今田 光夫
- 会のあゆみ
- 編集後記


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