令和7年8月4日(月)、函館の歴史的風土を守る会小山直子会長が逝去されました。
安らかな眠りにつかれますよう、心からお祈り申し上げます。
弔辞
函館の歴史的風土を守る会 前会長 佐々木 馨
「函館の歴史的風土を守る会」「五稜郭の文化価値を考える会」「函館の景観まちづくり協議会」を代表して弔辞を述べます。
今の私どもの心境は、小山さんという函館の大きな宝物を失った喪失感と、余りにも早い旅立ちへの無念の気持ちで一杯です。衷心より御冥福をお祈り申し上げます。
私どもは「政治家小山直子」「教師小山直子」「人間小山直子」から三つのことを学びました。
「歴風会」では政治家として「全ての人に対する誠実の心で、真心をもって人と接する」ことの大切さを学びました。
私は、昭和53年に発足した「歴風会」の5代目会長としての13年間、小山さんに「事務局長」として支えていただきました。まさに二人三脚の13年間でした。その間、小山さんは一貫して、「真心」の精神で、「歴風会の伝統と継承」を推進してくださいました。
昨年、6代目会長にバトンタッチをお願いしたばかりです。3年後の「50周年」を迎えてほしかった。本当に残念です。
「五稜郭の文化価値を考える会」の事務局長として、小山さんは「教師としての責任感」を実証された。
グロード神父さんの遺言をベースに「五稜郭の文化価値を考える会」を若山直さんと私の3人で発足させたのは、11年前のことです。
私どもは将来の世界文化遺産登録を目指して、年2回の講演会、5回の講座を開催してまいりました。
6月14日、函館アリーナでの講座には、医者の外出特別許可を得て、妹さん付添いのもと参加されました。これが最後の参加となりました。
御臨終の8月4日にも、「歴風会」「五文会」の書類引き継ぎを予定されていました。最後の最後まで「責任感」を果たそうとされていました。
25年間にわたる責任感の大切さを教える教師小山直子でありました。
「函館景観まちづくり協議会」による昨年11月23日から11月25日開催の「開港5都市横浜大会」で、「人間小山直子」の「人間としての思いやり」を学びました。
大会終了後の25日に小山さん、工藤恵美さん、林田鶴子さんと私の4人で横浜港を観覧車で眺望しました。小学校の6年生の修学旅行で味わうような体験でした。
実は、この時、小山さんは10月に病院にて癌を宣告され、余命半年と言い渡されていた直後であったのに、そのことをおくびにも出さず4人と楽しさを共有したのは、小山さんの「人としての思いやり」であったとあらためて実感しました。本当に気配りの心豊かな方でした。
以上、<真心と思いやりと責任感>に彩られた「政治家、教師、人間」としての小山さんの<人となり>を紹介しました。稀有な人徳の人でした。
最後に小山さんの小山家長女としての計らいを披露したいと思います。
昨年10月12日妹さんと一緒に御両親の故郷・福島に墓参し、先祖供養をされました。そのことを私に嬉しそうに報告してくれました
そのお顔を見て私はなんと「心豊かな信心深い方」かと実感しました。
日本仏教史に、「極楽を描写」し、<10個の極楽の楽>を語る、源信が985年に書いた「往生要集」という名著があります。
それによれば、先に旅立たれている「御両親と仏菩薩の出迎え」を受け「シャバでの苦痛から解放されて快楽に満ちた世界」を味わえると教え、最後に間違いないく「阿弥陀如来の元での成仏」が保証されると説かれています。
信心深い小山さんは「大きな念仏の船」で極楽へ渡られるに違いありません。
私はそのパスポートとして『往生要集』を感謝を込めて捧げたいと思います。
小山さん、安らかにお休みください。
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